Eclipse のワークスペースがどこにあるか調べる方法

Eclipse のワークスペースはデフォルトではホームディレクトに workspace という名前のディレクトリが作成されます。

任意の名前のディレクトリを新たなワークスペースとして使えるため、その時の気分によっていろんな名前をつけてしまい、どこにワークスペースを作ったかわからなくなってしまうことがよくあります。少なくとも自分は。

方法1

Eclipse の Preference の [General]→[Startup and Shutdown]→[Workspaces] を開くと “Recent workspaces” として使ったことがあるワークスペースが記録されています。

Screen Shot 2015-06-05 at 7.11.06 PM Screen Shot 2015-06-05 at 7.13.45 PM

しかしこの方法だと、その Eclipse が開いたことのあるワークスペースしかリストされません。

方法2

Eclipse はワークスペースとして指定されてディレクトリに “.metadata” という隠しディレクトリを作るので、これを検索します。

ターミナルを開いてワークスペースを置いてありそうな場所(例:ホームディレクトリ)で以下のコマンドを実行します。

自分の環境で実行した例は以下の通りです。

ざくざく出てきました。

この方法だとEclipse をベースに作られていると思われる別のツールのワークスペースも出てしまうのが興味深いところです。(Aptana Studio 3, Cocos Code IDE)

時間がかかってもよければルートディレクトリで上記のコマンドを打てば、パーミションがあるところにあるワークスペースはすべて探し出せます。

 

Cocos2d-JS のサンプルを動かしてみる (iOS編)

前回 ブラウザ上で Cocos2d-JS を動かしてみたので、今回は iOS アプリとして動かしてみます。

使用した環境

OS: Mac OS X 10.10.3
Xcode: 6.3.2
Cocos2d-JS: v3.6.1

 

iOSアプリとして実行する

Cocos2d-JS のプロジェクトを iOS アプリとして実行するには大きく分けて2つの方法があります。

  1. cocos run コマンドを使用する (CUIベース)
  2. Xcode からプロジェクトファイルを開く (GUIベース) – おすすめ

Xcode の様々な機能が利用できる 2. の方法がおすすめです。

方法1:cocos run コマンドを使用する

前回のブラウザ上での実行の際に使用した cocos run コマンドの -p オプションの引数を ios に変えるだけで、ビルド、iOS シミュレーターの起動、アプリの実行まで全部行ってくれます。最初の実行時には cocos2d ライブラリのビルドもあり、数分かかります。

うまくいけば自動的に iOS シミュレーターが起動し、アプリが立ち上がります!!簡単!!

Screen Shot 2015-06-05 at 1.37.29 PM

しかしこの方法1は何が行われているのかよく見えないことなどがあり、エキスパート向けの方法だと思います。自分は使っていません。

方法2:Xcodeからプロジェクトファイルを開く

方法2は Xcode を使う方法です。こちらがオススメのやり方です。

./frameworks/runtime-src/proj.ios_mac/<プロジェクト名>.xcodeproj に Xcode で開くことができるプロジェクトファイルがあります。

Screen Shot 2015-06-05 at 1.56.09 PM

 

この .xcodeproj ファイルをダブルクリックなどで開きます。このバージョンの Cocos2d-JS が生成する Xcode のプロジェクトファイルは “Xcode 3.2 compatible” とのことでかなり古い形式のようですが、最新の Xcode 6.3.2 でもこのままビルドはできます。(App Store にアップするにはアイコンの追加などの修正が必要です。)

このプロジェクトは、ビルド対象がデフォルトで “jsbinding iOS” と言うライブラリになっているので、これを自分のプロジェクト名のものに変更します。

また、デバイスは実機を選ぶ場合プロビジョニングなどの設定が必要になるので、とりあえず iPhone 6 シミュレーターなどにしておくと簡単です。

screenshot

あとは左上の再生ボタンを押して実行します。

Screen Shot 2015-06-05 at 2.42.35 PM

 

問題がなければ選択した iOS デバイス上でサンプルが実行されるはずです!

 

 

 

Cocos2d-JS の開発環境を構築する

Cocos2d-JSとは一言で言うと『JavaScript バージョンの Cocos2d-x』です。直接 Cocos2d-x を扱うには C++ でコードを記述する必要がありますが、Cocos2d-JS を使えば大部分のコードは JavaScript で記述することが可能です。

ただし公式ページの記述とは裏腹に、Cocos2d-x のすべての機能が使えるわけではないので注意が必要です。ざっくり言うと、よく使う機能はちゃんとサポートされていますが、あまり使われない機能(例:シーン切り替え時の一部のトランジション)はサポートされてない部分が散見されます。

そうは言っても、スマートフォンだけでなくブラウザ上でも動作することと、事前コンパイルなしにすぐ動作を確認できることなどは大きな魅力です

今回は Cocos2d-JS で開発を始めるための環境構築の手順についてまとめました。

  • ダウンロード
  • インストール&設定
  • 新規プロジェクト作成
  • サンプルを実行

使用した環境

OS: Mac OS X 10.10.3
Cocos2d-JS: v3.6.1

ダウンロード

Cocos2d-JS の日本語公式ページから最新版(2015年6月4日 時点では v3.6.1) がダウンロードできます。Screen Shot 2015-06-04 at 12.01.59 PM

インストール&設定

インストーラーは用意されていないので、ダウンロードした zip ファイルを適当な場所に解凍します。あとでパスを通すことになるのでディレクトリ構成の浅い部分に置くのがおすすめです。自分は /opt/cocos2d-js-v3.6.1 に置きました。

Screen Shot 2015-06-09 at 8.25.27 AM

ターミナルを開き、パッケージに含まれている setup.py を実行すると、.bash_profile に以下の環境変数の設定が自動で追加されます。

  • COCOS_CONSOLE_ROOT
  • PATH

途中 NDK_ROOT と ANDROID_SDK_ROOT を尋ねられるのですが、とりあえずリターンを押しておけば Web アプリの開発は可能です。(Android アプリの開発をする場合は「Cocos2d-JS のサンプルを動かしてみる (Android編)」を参考に、設定してください。)

これ以降、新たにターミナルを開けば cocos コマンドが使用できるようになっているはずです。

  • ただし bash にしか対応していないので csh など他のシェルを使っている方は同等の設定を手動で行う必要があります。
  • Python のバージョン 2.x が使えることが必要です。最近の OS X には標準で含まれているので特に準備は必要ありません。Python バージョン 3.x 系は未対応とのことなので注意してください。
  • Android アプリをビルドするには別途必要な設定がありますが、後からでも設定できるので本記事では対象から外します。

新規プロジェクト作成

cocos はコマンドラインから Cocos2d-x/JS のプロジェクトを管理するツールです。ここではサブコマンド cocos new を使用して新規プロジェクトの雛形を作成します。

プロジェクトを作成したいディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。(PROJECT_NAME は好きな名前に変更してください)

以下は /My/Test という場所に MyProject という名前のプロジェクトを作成した場合の例です。

サンプルを実行

Cocos2d-JS のプロジェクトは、ブラウザ、iOS、Android などの環境で実行することができます。ここでは一番簡単なブラウザ上での実行を試してみます。

ブラウザ上で実行するには、大きく分けて2つ方法があります。

  1. 稼働中のWebサーバー (Apache, MAMPなど) 上に、プロジェクトのファイルをコピーする
  2. cocos run コマンドを使用する (専用の Web サービスを起動します)

ここでは 2. の方法を使います。先ほど作成したプロジェクトのディレクトリに移動して、以下のコマンドを実行するだけです。

以下は、実行結果の例です。

コマンドを実行すると内部でWebサーバーがポート8000を使用して起動します。それと同時にデフォルトのブラウザーが起動しページにアクセスします。

 

うまくいけば自動的に立ち上がったブラウザ上にHello World のシーンが実行されているはずです!!

Screen Shot 2015-06-08 at 2.44.40 PM

 

Webサーバーは、Control+C で停止させることができます。

Cocos2d-JS でアプリをリリースしました

こんにちは。

2015年の2月になりますが、『ラジウム・クリッカー』というアプリを iOS版/Android版同時にリリースしました。使用したプラットフォームは Cocos2d-JS です。

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その数年前 iOSのアプリはいくつか作成した経験がありましたが、Androidの開発経験はなく、次のアプリはAndroid版も同時にリリースしたいと考えていました。

そのためのプラットフォームは何にすべきか数日かけて検討したところ、Cocos2d-xUnity というプラットフォームがよく使用されていて、自分の目的に適していそうなことがわかりました。
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さらに調べたところ Cocos2d-x の拡張版の Cocos2d-JS というものが存在し、それを使うと JavaScript というスクリプト言語でアプリが開発でき、さらにブラウザ上でも動作するとのことでした。スクリプト言語でアプリが開発できるというのは非常に魅力的で、早速使用してみました。

使ってみると、資料が少なかったりバージョンによる差異が激しくて古い情報が役に立たなかったりといろいろ苦労はありましたが、確かに JavaScript で記述したアプリがブラウザでも iOS でも Android でも動作しました。

その後、紆余曲折あり、アプリリリースまでこぎつけましたが、何しろ資料が少なく、主にソースコードを解析したりして、なかなか苦労しました。

その時学んだ Cocos2d-JS の基本を、これからまとめていこうと思っています。これから Cocos2d-JS でアプリを開発しようと考えている方の助けになれば幸いです。

※ちなみに2015年4月にリリースした『ねずみハンター キャシー』というアプリも Cocos2d-JS で開発しました。

 

 

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