サラリーマンに戻りました
こんにちは。
2年ほど前に会社を辞めて『さいたま市の創業相談会に行ったら「まず会社作らなくていいからゲーム作りなさい」と言われた』みたいな記事を書いたり、ゲーム開発の個人事業主として活動していけないかと模索を続けていました。
いろいろ活動させていただいたのですが、なかなか収入が伴わず、(ツイッターでフォローしていただいている方はお気づきだと思いますが)この度サラリーマンに戻ってしまいました。
そこに至るまでの経緯をまとめました。
退職時の財政状況
2年前に会社を辞めた時は、2年くらいは収入がなくても生活できる程度の貯金がありました。一方で住宅ローンがあと6年くらい残っていたのですが、ローンの残高より貯金のほうが多かったので、一括返済しようとすればいつでもできる状態でした。あえてそうしなかったのは、いざとなったらそのお金が生活費にまわせるかもと思っていたからです。(あとで実際にそうなるのですが・・・)
退職3ヶ月後からは雇用保険の失業手当が4ヶ月間受給できるし、最初の1年で収入源(アプリとか)を確保すればなんとかなるんじゃないかと思っていました。
個人アプリ開発者活動開始
当初、カジュアルゲームアプリを毎月1本くらいのペースでリリースしていけば、1年後くらいには収入が出費を上回っていくんじゃないかなあと漠然と考えていました。(今考えると、相当甘い考えなのですが、当時は真剣にそう思っていました)
しかしアプリを2本リリースしてみて、驚くほどダウンロードされなかったので焦りました。
そこで、「1ヶ月で作れるような小規模のものはダメだから、半年くらいの時間とお金をかけて作るしかない」とカジュアルアプリ路線から方針を転換しました。
方針転換1
もともと「アプリで生計を立てられるようになったら、最終的には大作を作りたい」と考えていたのですが、その方針を転換して「最初に大作を作る」ことにしました。それでダメだったら再就職すればいいかなと。(実際そうなるのですが・・・)
そうなると開発資金とかも調達しなきゃダメかなあと考えて、さいたま市の創業相談会に行ってみたりしたのはこのころです。
そんな感じで柄にもなく起業家のような活動をしかけましたが、相談員の方の的確なアドバイスによって目が覚め、まずはゲームを作ることにしました。必要な資金(グラフィック・音楽等の発注費、宣伝費等)は貯金を切り崩して150万くらい使いました。(※プログラマー(自分)の人件費は含まず)
半年で完成する予定で開始したのですが、見積もりの甘さもあり、結局完成するまでには丸1年かかりました。
この間ほとんど収入はなかったので、貯金残高がどんどん右肩下がりで下がっていって、焦りました。
しかし「このゲームをリリースすれば、今までの出費をすべて返してもお釣りが残る。というか、一生分稼げるはず」と自分に言い聞かせていたので、精神的には耐えられました。時には無理矢理にでも楽観的になることも必要です・・・。
そのゲームは去年9月にリリースされました。
さすがに1年かけたことと、PLAYISMさんというパブリッシャー様の協力もあって、個人的には過去最高の売り上げを記録しました。また、そのゲームもおかげで東京ゲームショウなどの著名な展示会に出展することもできたり、金銭には代えられない貴重な経験をいくつもさせてもらいました。
1年という時間と、(自分的には)かなりの費用をかけることになりましたが、それに値するものが作れたことは非常に嬉しいことでした。
作ってよかったです。
よかったのですが、残念ながら「今までの出費を全て返してもお釣りが残る」ほどの利益は出ませんでした。というわけで、資金面で追い込まれてしまい「ゲーム開発一本」の活動方針を変更せざるを得なくなりました。
方針転換2
このころから「貯金を減らさない程度に請負の仕事をして、余った時間で個人開発しよう」という方針にしました。
「週3日くらいの仕事で生活費を稼いで、残りの4日で個人開発できたら理想的だな」と考えて、フリーランスのための仕事紹介サイトに登録したり、いろいろ活動しました。(その頃は『週3日の仕事をゲットする方法が見えてきた(見つけたとは言っていない)』とか書いてました)
しかし自分の場合、そのような「理想の」仕事にはめぐりあえず、1ヶ月、2ヶ月と時間がすぎていきました。
時間は過ぎ、貯金は減っていく日々・・・。
気がつけば、ローンと貯金の残高が逆転していました。セーフティーネットだった「返せるけど返してない」借入金に手がついてしまいました。もう贅沢も言ってられません。
週5日常駐するなら・・・
いろいろ情報を集めてみると「週5日常駐」という条件だと、意外と簡単に仕事がもらえそうなことに気づきました。雇う側からすると、同じ条件なら毎日仕事してくれるほうがいいですよね。自分もそうするしかないのか・・・。
そのとき
「週5日常駐するんなら、会社員でいいじゃん」
と思い始めてしまい、気づいたら転職情報サイトに登録していました。
その後の就職活動について詳しく書くとまた長くなるので結果だけ書きますが、約2ヶ月かかって、とあるシステム開発企業から内定をいただきました。
前職での医療機器関連のソフトウェア開発の経験も評価していただきましたが「2年間ほどアプリ開発の個人事業をやっていました」というアピールが功を奏したようで「ぜひ当社でアプリを作ってください」と言っていただけました。何が役に立つかわからないものです・・・。
今後
というわけで、2年2ヶ月に及ぶ長い夏休みに終わりを告げて、2017年5月1日からサラリーマン生活を再開しました。
リリースしたゲームのアップデートや、新作アプリの開発など、まだやり残したことはたくさんあるので、それは平日夜か週末に、本業に支障がない範囲で細々とやっていこうと思っています。
しかし、当分は新しい会社の業務に慣れることを第一にしたいと思っているので、開発ペースはいままでの1/10以下になってしまうと思います。
長い目で見守って下さい…。( ;∀;)
(T.T)
是非また再起して下さい!
ここに至った経緯には葛藤や受け止め難い痛みもあった事かと思います。
多分泣きそうになった事も、、
次は強くてニューゲームできるはず…!
まぁ現実を見たというところでしょうか。
私も体がぶっ壊れてから、まわりの非エンジニアには「あんたは理工なんだから、アプリでも作ったら生活していけるでしょ」みたいなこと平気で言われます。
今はもう企業が、これまでコンシューマやPCに掛けてた労力を掛けてくるので、もう素人がアメリカンドリームを体験できる時期は過ぎたと思います。ビットコインもいまさら参戦しても、バブルはじけた後やITバブル後のソフトバンクとかになりそうだし、とりあえず潜伏するという意味でも社畜になるのは選択肢としてアリと思いますよ。
成功するのは、優秀な人間でもほんとに少ないので。