学習漫画とか大人が読んだ方が数倍面白い
こんにちは。
先日 Amazon で「ニュートン」と「ガリレオ」の学習漫画をポチってしまいました。こんなの店頭では絶対に衝動買いしないので、Amazon の新規顧客開拓力はすごいです。
もともと「キュリー夫人」と「アインシュタイン」は持っていたので、この集英社の世界の伝記の物理学者系は制覇ですかね。(「ノーベル」「エジソン」とかは微妙なところ)
怒られない程度に中身を紹介します。
まずニュートンのほうから。
有名な、りんごが落ちるのを見て、万有引力の法則を着想するシーン。
「ニュートンと言えばりんご」なのは小学生にも浸透しているかもしれませんが、この月がりんごと同じように地球に向かって落ちているという考え方は、正直、小学生には理解できません。
このあたり、高校卒業後くらいに読むと「なるほど」と思えるのですが、残念ながらそのころには学習漫画とか読まなくなっている人が多いです。
次にニュートンの理論をまとめた本「プリンキピア」出版のために、ハレーすい星で有名なエドモンド・ハレーが奔走しているシーン。
小学生が「ふーん」と読み飛ばすであろうこの何気ないページに、ものすごい要素が詰め込まれています。
- フックがニュートンの発見を、自分のアイデアを使っていると主張していたこと
- ハレーがニュートンとフックの間と取り持ってなんとかことを収めたこと
- 出版費用は資産家のハレーが肩代わりしたこと
- 王立協会の事務局長だったハレーが、無給だったこと
自分はニュートンについてかなり調べたことがあるので、この漫画を監修した先生もよく調べているのがよくわかります。
小学生だけに読ませておくのはもったいない!
つづいてガリレオのほう。
自分はガリレオについてはあまり知らなかったので、これは驚きの連続でした。
まず、少年ガリレオが、アリストテレスと盲信する先生に質問するシーン。
当時の人々が1800年前に書かれた本の内容を、自分で確かめもせずに信じ続けていた態度に疑問をもつ姿が格好良いです。
つぎに、ガリレオが当時発明されたばかりの「望遠鏡」を初めて空に向けて観測を始めたころの描写。
「そうか、きのうまでは木星のむこう側にかくれていたにちがいない!」
地動説を裏付ける事実に次々に気づいていくガリレオ。
当時彼がどんな思いで観測を続けていたのか・・・。思いを馳せて、感動して泣きました。(年をとると涙腺がゆるくて・・・)
小学生は絶対、これ読んでも泣きませんよ。
そして宗教裁判。
ガリレオは現実的な人なので、死刑を避けるために地動説について宣伝することをやめると誓います。
しかし宗教裁判のあともこりないガリレオwwww
このとき書かれた「天文対話」という本が、ローマ法王庁の逆鱗に触れて「禁書」に指定され、ガリレオは「破門」とされます。
その天文対話も、今では英語版なら無料で読めます。良い時代になりました!!
Dialogue Concerning the Two Chief World Systems
by Galileo Galilei (1632)
http://law2.umkc.edu/faculty/projects/ftrials/galileo/dialogue.html
日本語版は岩波文庫から出ているようですね。(リンク貼りますが、アフィリエイトではありません! (^^;)
天文対話<上>(岩波文庫) – Amazon
ガリレオの破門が解かれるのはなんと350年以上のちの1992年になってからです。
以上、個人的なおすすめですが、まずは漫画で大まかな流れをつかんで、より詳しく知りたくなったら専門書を読むと良いと思います。
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