それでも新元素に国の名前をつけるべきでない理由 – 「ジャポニウム」について

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こんにちは。

昨日話題になっていた、日本のチームが発見した新元素に「ジャポニウム」という名前がつきそうだというニュースがありました。

いいですね。

日本人としては嬉しいニュースです。しかしその名前が「ジャポニウム」というので少々物議を醸したようです。

「ジャポニウム」に対する反応

このジャポニウムという名前が思い切り「ジャパン」から取られていることで、まっさきに多くのコメントが寄せられたようです。(参考:ツイッター検索「ジャポニウム ナショナリズム」

以下のようなコメントが散見されます。

 

新元素に自分の国の名前つけるって気持ち悪い!

元素に国名を使うのはレイシスト!

 

そう言ったコメントをしている人の中には、おそらく元素命名の前例をあまり知らないような人もいるようなので、それを指摘する感じで、

 

アメリシウムもフランシウムも知らないんですか?

ポロニウムはポーランド、ゲルマニウムはドイツなんです。知らないって恥ずかしい!

 

といったコメントも沢山ありました。

ここまでの流れはまあいいでしょう。

地名が由来になった元素はたくさんあるから問題ない?

しかしちょっと気になったのは、そもそも地名が由来になった元素はこんなにあるぞ!っていうコメントが散見されたことです。

このツイートの地図、

この地図自体は興味深く、面白いのですが、この地図に対する返信など他のツイートで、

「こんなに地名が元になっている元素があるのに、国の名前をつけるのは気持ち悪いって言っている人は無知だ!」

というのがありました。

それはどうなんでしょうか?

地名と国名では意味的に全然異なります。

地名は客観的に地理的な位置を示しているだけだが、国名は民族・文化・歴史まで暗示してしまう

地名を元にして命名された元素の1つにマグネシウムがあります。マグネシウムはギリシャの「マグニシア」という地名から命名されたそうですが、これは産地の名前から取られています。

 

マグニシアで産出される鉱石の中から発見されたから、マグネシウム。

これは自然だと思います。

 

しかし、例えばキュリー夫人が発見したポロニウムの命名に関して言えば、発見された1898年当時、キュリー夫人の祖国ポーランドはロシア帝国の支配下にありました。夫人は祖国解放への願いを込めて、自身の発見した新元素に祖国の国名を元にした「ポロニウム」という名前をつけました。(ポロニウム – Wikipedia)

 

Marie Curie 1903.jpg

「ポロニウムの名付け親」キュリー夫人
Marie Curie 1903” by Nobel foundation – http://nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/1903/marie-curie-bio.html. Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.

 

何だかこれは美談に聞こえますが、冷静に考えると、これは科学を政治的に利用しています。

ポーランド人はさぞかしナショナリズムを掻き立てられたことでしょう。

「ポーランド人はこんなに優秀なんだ!」

「打倒ロシア帝国!」

という叫びが聞こえてきそうです。

中国が新元素に「チャイニウム」と言う名前を提案する未来しか見えない

「ジャポニウム」と言う名前が認められれば、アジア初の新元素発見となるようです。誇らしいですね。

しかしこの名前にすると、機嫌が悪くなりそうな国がありそうです。

おそらく中国、韓国あたりは「元素に自国の名前をつけるとは何事だ!」と感じるでしょう。口に出さないまでも。

韓国は言うだけなのでよいとして、最近の中国の発展はあなどれないので、日本に対抗して加速器に力を入れ、新元素発見に巨額の予算を投入したりするかもしれません。

そして発見した元素に自国の名前を冠した「チャイニウム」などを提案してくるでしょう。

周期表上での陣取り合戦が始まるのです。

欧米がやってるんだからいいんだ!と言うわけではない

と言うわけで、個人的な意見ではありますが、「ポロニウム、アメリシウム、フランシウムとか、欧米がやっているから日本もやっていいんだ!」というのは危険です。

自分はキュリー夫人の伝記などを多数読み、その偉業を尊敬していますが、新元素にその元素の産地、特徴とまったく関連のない祖国の名前をつけたのは良くなかったと思います。

アメリシウムに関しては、アメリカで初めて合成されたことを考えると、まだ理解もできます。しかしアメリカが嫌いな人にとって、その名前はあまり気分の良いものではないかもしれません。

国名を元素名にするのは、科学は政治・宗教的な要素とは切り離すべきだと言う科学の精神に反する恐れがあると思います。

そうは言っても、ジャポニウムの場合「日本で初めて確認された元素」なので、理解できる範囲ではありますが・・・。

ではどうすればいいのか

対案のない反論は非建設的なので、対案をだしておきます。

そもそも昨日ニュースになって大々的に取り上げられましたが、この新元素が発見されたとされるのは2004年ですので、すでにいくつも命名案はだされています。(ウンウントリウム – Wikipedia)

例えば理化学研究所の名前を元にした「リケニウム」、研究所の所在地・和光市にちなむ「ワコウム」などがあったようです。

そのなかで、個人的には日本に初めて加速器を持ち込んだ仁科芳雄にちなんだ「ニシニウム」を推します。(注:Wikipedia には 「ニシナニウム」と書かれてますが “Nishina” の語尾を “ium” にするので、ニシウムでしょう)

日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹の名前にちなむ案もあったようですが、湯川秀樹は十分評価されているからもういいんじゃないですかね。

乱文しつれいいたしました。

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9 comments

  • まあ個人的な意見だからそれでいいんじゃない

  • 陣取り合戦を嫌う理由が分からない。
    ただの中韓嫌いでしょ。

  • モジャニウム

    科学の発展に寄与するなら、別にいいんじゃないですかね、チャイニウムが出てきても。
    ニシニウムだろうがリケニウムだろうがワコニウムだろうが
    ケチ付けてくる時は付けてくるでしょ。

  • ボーボーニウム

    国威高揚のために114番目の元素を発見しました、て
    それはそれでエピソードとしては面白いので
    むしろ是非やってみてほしい
    ていうか陣取り合戦って…名前1個に1元素だろうに、どう合戦になるんすかね

  • 日本人のメンタリティとして、ジャポニウムというのはあまりに奥床しさがない、と感じます。
    そんなこと、日本人としてこっぱずかしいから止めてくれ、という感じです。
    それをよしとする人が増えているとしたら、やはり日本は良くない方向に向かっていると思います。
    絶対ないとおもうけど、アベニウムだけは厭!

  • ウンウンウンウンウンウンウニウム

    タイトルに理由と書いてあるが客観的事実に基づく理由ではなく、書いている人の主観に基づくただの意見ですね。
    まあそういう意見もあるよなという以上の情報はない記事ですね。

  • ツルパニウム

    新発見の動植物、微生物(学名、英名、和名)や、自分の子供にしても、命名はそれぞれのルールに則した、命名権利者による主観的な行為。ニホニウム(Nh)はもう一捻り利かしてほしかったけど、発見者の先生の「日本で見つかったことが分かるように」との思いに一番近い名前だね。

  • チャイニウム…良いんじゃないでしょうか
    何も問題無いかと思いますが?

  • アインシュタインも精一杯評価されたんだからよかったのではという反証ががが

    謙虚さと控えめ自慢は違いますよ
    これだから日本人は←一概に言ってしまっている典型例、いろんなヒトがいるからね、仕方ないね。うん、仕方ない。

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