中国・天津の爆発と核爆発のエネルギーを比較してみた

こんにちは。

中国・天津の爆発事故はものすごい規模だったようなのですが、核爆発と比較してどの程度だったのか、疑問に思ったので調べてみました。

中国・天津の爆発事故

 

2015年8月12日に発生した中国・天津の爆発事故は、10km先でも衝撃を感じるなど、ものすごい爆発だったようです。

ネット上にアップされた動画などを見ると特に大きかった2回目の爆発ではキノコ雲ができているのがわかります。

 

https://youtu.be/vM4nMsMmMtM?t=2m3s

(※2015年8月21日更新:リンク先が消えていたので別の動画に変更)

 

キノコ雲と聞くと思い出されるのが核爆弾だと思いますが、そんなこともあって、ネット上では「天津の爆発は核爆発だったのではないか?」という人まで出てきています。

TNT換算のエネルギー

 

核爆発のわけないと思いつつ、天津の爆発と核爆弾のエネルギーを比較してみたところ、やはりぜんぜん匹敵していないことがわかりました。

中国・天津の大爆発、死者44人に 威力「TNT24トン分」 写真8枚 国際ニュース:AFPBB News http://www.afpbb.com/articles/-/3057266

中国・天津の港湾で爆発、13人死亡 300人負傷か  :日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040003_T10C15A8000000

 

これらのサイトによると、天津の爆発の「威力はTNT火薬24トン分」「半径2kmの範囲で窓ガラスが割れた」ということです。

それに対して、Wikipediaによると、広島型原爆の威力はTNT火薬15,000トン分と推定されているそうです。

15,000 ÷ 24 = 625

ですので、広島型原爆は天津の爆発事故の 625倍の威力(エネルギー)があったと推定されているということです。

核爆発との比較を図にしてみた

 

数字で言われてもぴんときませんので、図にしたものが以下になります。

 

Tianjing2

 

Hiroshima2

 

ここで、爆発のエネルギーはどちらの場合も同じ形状(半球形)で広がるとざっくり仮定しました。

そうすると、エネルギーが625倍ですので、半球の体積が625倍になる半径は、625の1/3乗=約8.55倍になります。

天津の爆発で「2kmさきまで窓ガラスが割れた」とすると、広島型原爆では17.1km離れていても、それぐらいの衝撃があった可能性が有るということになります。

参考までに Google Mapで測ってみたところ、

2 km というと新宿駅から原宿駅くらいの距離ですが、
17.1 kmというと新宿駅から川崎駅くらいの距離でした。

 

Screen Shot 2015-08-19 at 11.08.15 AM

つまり、天津の爆発と同程度の爆発が新宿駅で発生したら、原宿駅付近の窓ガラスが割れるかもしれないと言えます。

まとめ

 

  • 天津の爆発はものすごい規模だった。新宿駅で発生したら、原宿駅付近の窓ガラスが割れるほど
  • しかし核兵器の威力とは比較にならない。広島型原爆と比較しても高々625分の1のエネルギー
  • エネルギーが625倍だと、条件に大きく左右されるが、被害の到達距離は8.55倍程度になるはず

補足

 

これはあくまで爆発のエネルギーだけの比較であって、有害物質や放射性物質による被害はまったく検討していません。

天津の有害物質による被害はリアルタイムで進行しており、日本にまで到達するという噂もあるので、続報が気になります。

 

12 comments

  • 通りすがり。

    大変わかりやすいです!
    ありがとうございます。

    あの事件動画をみて、もしかして核爆発??
    と思っていたので、ちょっと安心しました。
    8月ということもあったので。

    一般人に”TNT24トン相当の爆発”、言われてもわかんないですよね‥ ^ ^;

    現地の方の無事を祈るばかりですね。

    • コメントありがとうございます!
      「TNT24トン分」というのが正しければ、核爆発としては桁違いに小さく、ありえないようですね

  • 24トンは嘘です。TNT24トンのエネルギーは、ガソリン満タン(20トン)のタンクローリーが爆発した時と同じくらいのエネルギーです。広島では、上空700m位のところで爆発しているので、破壊半径は大きくなります。地上で爆発させると、クレータ形成に多くのエネルギーを使ってしまいます。天津のやつはTNT数キロトンの威力はあったかと思います。

    • コメントありがとうございます。
      ご指摘の通り、広島では上空で爆発してますが、本記事の計算は、簡単のためそれを考慮していません。
      天津のTNT24トンがどれくらい正しい見積もりなのかは不明です。

  • 常温核融合による小型核爆弾起爆テクノロジー

    天津核爆発テロの爆発規模に合致する5キロトンの核爆発は、退役軍人の証言で確認されています。

    常温核融合による小型核爆弾起爆テクノロジー
    https://www.youtube.com/watch?v=l5LGLcrrkeU

    • コメントありがとうございます。
      常温核融合とは興味深いですが、にわかには信じがたいですね・・。

  • とてもわかりやすいです。ありがとうございます。
    ただ新宿とか原宿はかすかに名前を聞いたことがある程度なのでよく分かりませんでした。
    難波~梅田とか表現してもらえると助かります

  • >天津のTNT24トンがどれくらい正しい見積もりなのかは不明です。
    見積もりですが、これがまず疑わしいのに、何故一方の数値だけ持って比較検証したのか、意味不明ですね……
    それと、原爆のエネルギー換算は熱線等も含まれたのでは? 兎も角として、ま、手前勝手な意見ですが、えらく中途半端だな、と感じました

  • Pingback: ブログ3万PVの内容を分析しました。ついでにAdSenseの収益公開します | tomeapp

  • Pingback: 誰にも聞かれていませんが9月のブログアクセスはこれくらいでした | tomeapp

  • 現在はスーツケース型や小型の純粋水素爆弾が核爆弾の主流でありこれは放射能を出さない。広島型と比較して規模が小さいからと言って核でないとは言えない。核の証拠はキノコ雲とクレーターである。化学薬品の連鎖爆発なら連鎖速度が遅いのでクレーターは出来ない。

  • Pingback: 【速報】カナダ最大の石油プラントが爆発 - 眈々速報

髙橋 政雄 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です